“開発プロセスとアーキテクチャを統一”
システム品質を大きく改善し開発・保守工数、コスト削減に成功

カゴメ株式会社

課題

オープン化に伴ってシステムが複雑化。
品質の低下が運用負荷やコストの増大を招いていた。

効果

開発プロセスとアーキテクチャを標準化。
統制の効いた開発の実践で品質が向上し、戦略的なIT活用に集中できる。

お客様プロフィール
社名 カゴメ株式会社様
本社所在地 本社:〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦3-14-15
東京本社:〒103-8461 東京都中央区日本橋浜町3-21-1 日本橋浜町Fタワー
従業員数 2569名 2015年12月末現在
URL http://www.kagome.co.jp/company/

build-design_service_iconアーキテクチャ構築サービス

明心秀親
経営企画本部

お客様の声

背景・課題
自由な開発の代償として複雑化が進行

トマトケチャップや野菜ジュースなど、自然の恵みが持つ価値を生かした商品を提供し、人々の健康的な食生活の実現に貢献してきたカゴメ様。中核ビジネスである食品・飲料の提供をはじめ、ギフト用商品、レストランやホテル向けの業務用商品、さらには大型菜園8 カ所を中核とした全国の栽培拠点で栽培した生鮮野菜の提供など、幅広い領域へと事業を拡大しています。
これらのビジネスを支えるIT システムについては、長年にわたって、様々な変革に取り組んできました。中でも注力しているのがシステムの品質向上です。
というのも、2000 年ごろから同社はメインフレームを基盤として運用してきたシステムを段階的にオープン化。ERP を導入して基幹システムについても段階的にオープン環境へ移行し、2013 年にはメインフレームの全廃を果たしていますが、それにより品質面の課題に直面してしまったのです。「オープン化は様々な成果がありました。特にシステム開発のハードルが下がり、要求に応じて、様々なシステムを柔軟に開発できるようになった点は、ユーザーからも非常に好評でした。しかし、自由に開発できるようになった代償として、様々な技術や手法を用いたシステムが社内に乱立。統制にもやや緩みが生じてしまい、十分なシステム品質が維持できていないケースが散見されるようになったのです」とカゴメの明心秀親氏は話します。
特にシステム間の連携は、非常に複雑化しており、不具合がたびたび発生。ヘルプデスクへの問い合わせも増加し、それがIT 部門の業務を圧迫、運用管理コストを増加させるという結果にもつながっていました。

選択・ポイント
統制された開発プロセスの実践を目指す

課題を解決するために同社がパートナーに選んだのがアークウェイです。「対症療法的なものではなく、システムの開発プロセスを標準化し、それを徹底することで、統制の効いた開発を実践するという抜本的な解決アプローチを持っていたからです。標準プロセスに沿った開発を徹底できれば、システムの品質向上はもちろん、開発ライフサイクルにおける手戻りの最小化、保守性の向上、ひいてはIT コストの構造変革が期待できます」と同社の村瀬 智史氏は言います。
実はそれ以前にも、同社は、標準化に取り組んだことがありました。しかし、思うように進まなかったといいます。「カゴメの実態と方法がマッチしていなかったのでしょう。一方、アークウェイは、直面していた課題を丹念にヒアリングし、さらには300 にものぼるシステム資産の棚卸しを行いながら、既存の開発プロセスやシステム自体が抱えていた課題を一つひとつ指摘。責任者のレビューのタイミングが大きな手戻りにつながったり、仕様書がバラバラなことが保守の効率を下げていたりしていた問題を解消しながら、カゴメの実態に合った最適な開発プロセスを構築してくれました」と長年にわたりカゴメのシステム開発や運用を担当している児島 穣氏は話します。具体的には、開発プロセスの各フェーズで、どのようなドキュメントや仕様書を残すべきか、また、どのタイミングで、誰の参画を得てレビューを行うか、さらにはレビュー時の重点チェックポイントは何かといったことを取り決め、標準的な開発プロセスを策定していきました。「自社の方法論をそのまま押しつけるのではなく、我々の話に真摯に耳を傾け、ベストな解を導き出す姿勢は、非常に心強いものでした」と明心氏は話します。

児島穣氏
村瀬智史
経営企画本部
導入成果
8年後の今も新しいアーキテクチャを整備

アークウェイのサービスを利用して開発プロセスを標準化した同社は、その取り組みをさらに加速。アークウェイと共に、システムのアーキテクチャを標準化し、それを基にしたテンプレートの構築に着手した。
ここでも、アークウェイがカゴメの実態を把握し、最適な提案を行ったことが高く評価されています。「かつてカゴメは、共通的な処理プロセスをDLL(Dynamic Link Library)としてフレームワーク化し、アーキテクチャを標準化しようとしたことがあります。しかし、DLL では、各部品の中身がブラックボックス化しており、現場の理解が進まず、結果として定着しませんでした」(児島氏)。
そこで、アークウェイは、ソースコードを参照更新可能な形式でテンプレート化して現場に支給することを提案。さらにアークウェイの持つWebアプリケーションのアーキテクチャに関するノウハウを基に、カゴメのシステムの特性や文化、人員のスキル、体制などと照らし合わせてカスタマイズしたテンプレートを構築しました。

「開発者がテンプレートの内容をソースレベルで十分に理解し、効果的かつ共通的にシステムを実装できる環境が整いました。また、なにより驚いたのが先進性です。当時は、まだまだ普及していなかった『jQuery』など、『将来を考え、この技術を使っておくべき』という最新技術が多数盛り込まれており、8 年経った今も見劣りしない新しいアーキテクチャとなっています」と児島氏は続けます。
その後、同社は新たに策定した標準開発プロセスとアーキテクチャに対する理解を促すためにアークウェイと共にトレーニングを実施。現在も、こうした取り組みが、カゴメのシステムを根底から支えています。
例えば、同社の基幹業務を支える販売物流システムの再構築の際も、策定した標準開発プロセスとアーキテクチャを全面採用。「バッチで対応していた各サブシステムと販売物流システムの同期処理をWeb サービス連携によってリアルタイム化するというものでしたが、システムの品質、さらには開発コストや工数の削減といった面でも、非常に大きな手応えを実感することができました」と村瀬氏は言います。また、明心氏も「標準アーキテクチャによって、障害の切り分けなどにも素早く対応できるようになっています。その結果、問い合わせ対応などに割いていた時間が減少し、情報システム部門はより戦略的なシステム企画などに時間を割けるようになりました」と続けます。

村瀬智史様
児島穣
経営企画本部
今後の展望
標準化の対象を全システムに拡大

今後も同社は、システム更改のタイミングなどを見計らいながら、標準開発プロセスとアーキテクチャを段階的に展開。最終的にはすべてのシステムに適用していく考えです。「システムの簡素化、業務の標準化、IT スキルの向上など、アークウェイと共に作り上げたプロセスとアーキテクチャを礎に今後も様々な取り組みを進めていきます」と明心氏は最後に力強く語りました。