“標準アーキテクチャがシステムの「未来」と「品質」を支える”
開発部署ごとの“流儀”を排除
誰もが高品質なシステムを効率的に開発可能

株式会社トウ・ソリューションズ

課題

10~20年後にも使い続けられること、品質を向上できることを目指し、システム開発に用いる技術の見直しを図った。

効果

将来性のある技術を駆使した標準アーキテクチャを策定。スキルを問わずに高品質なプログラムを開発することができる。

お客様プロフィール
社名 株式会社トウ・ソリューションズ様
本社所在地 〒182-0002 東京都調布市仙川町2-5-7 仙川キユーポート
従業員数 135名 2015年11月末現在
URL http://www.to-solutions.co.jp/

build-design_service_iconアーキテクチャ構築サービス

清水 透
取締役 グループシステム部 部長 シェアードシステム部 部長

お客様の声

背景・課題
採用技術に顕在化した継続性と品質の問題

トウ・ソリューションズは、品質にこだわった国内外の食品や高品質なワインの輸入・販売を行う中島董商店(なかしまとうしょうてん)と、マヨネーズでお馴染みの大手食品メーカーのキユーピー株式会社の両情報システム部門が統合して誕生した企業です。キユーピーグループのIT戦略策定から企画、設計・開発、運用を担うほか、長年培ってきた食品業界のノウハウを活かしたITソリューションを開発し、グループ外の企業にも提供しています。
同社は、システムを構築する上で「ライフサイクル」という考え方をベースにしています。
「特にクライアントサーバー型のシステム、Web系システムなどが対象です。技術の変遷の激しいこれらのシステム領域は、目の前の要求に応えることだけに集中するのではなく、10~20年後を見据え、陳腐化しないようなシステムを設計することを意識しています」とトウ・ソリューションズの吉田 一彦氏(取締役 システムソリューション部 部長)は説明します。
この取り組みをさらに加速させたのが、あるシステムに発生した品質トラブルでした。直接の原因自体は、開発者のケアレスミスといえるものでしたが、採用している技術の問題が顕在化したのです。「当時、採用していたVisual BasicやJavaは、フレームワークやライブラリへの依存度が大きく、その中身がブラックボックス化しがちでした。システムのブラックボックス化は、開発・改修時の品質トラブルにつながりやすい上、トラブルが発生した際の対応に時間がかかるといった問題を招きます」(吉田氏)。

選択・ポイント
ツールではなくアーキテクチャで標準化

これらの課題を解決するために、同社がパートナーに迎えたのがアークウェイです。
アークウェイは、様々な技術を、開発生産性、将来性、品質、保守性など多様な観点から検証して、採用しておくべき技術を選抜し、顧客ごとに最適なアーキテクチャ要件を定義。その要件に合わせてカスタマイズしながら、標準アーキテクチャ策定を支援します。
このアークウェイの「アーキテクチャ構築サービス」を利用して、長期に渡ってシステムのライフサイクルを支えられ、品質や開発効率の点でも優れたアーキテクチャを策定し、それを全社で共有することを目指したのです。
「開発ツールを標準化するか、ベンダーの支援サービスを受けるか、様々な方法を検討しましたが、アーキテクチャを標準化することで、システムの最適化を図るというアークウェイのアプローチ、そして、アークウェイが提案するアーキテクチャが、弊社の求める要件を満たす最適解であると判断し、パイロットプロジェクトを経て、キユーピーの全システムに新アーキテクチャを適用していくことを決めました」(吉田氏)。
具体的に、同社が重視した要件は図に示したものです。「提案されたアーキテクチャは、採用している技術の妥当性はもちろん、今後IT システムに求められることが予想される機能への対応も見据えた内容となっており、我々がシステムに求める要件もトータルに満たす非常に納得感のある内容でした」と清水 透氏は言います。

長尾 春香
グループシステム部 新アーキテクチャ担当
導入成果
経験の浅い開発者が重要な戦力に変わる

新アーキテクチャを実際にシステムに適用していくために、まず同社が着手したのが既存システムの棚卸しと、画面構造についての検証です。「アークウェイの支援を受けながら、当時稼働中のシステムで定義されていた約2700の画面を再整理して、約10パターンに落とし込みました。アーキテクチャの核となる部分は統合しつつも、パターンに応じて異なる要件を踏まえて微調整を行い、標準アーキテクチャを構築しました」と長尾氏は説明します。
標準アーキテクチャは、更改時期を迎えたシステムなどからキユーピーのシステムに適用され、すでに稼働を開始しているものもあります。結果、同社は様々なメリットを享受しています。
「標準アーキテクチャに基づく開発では、システムがブラックボックス化することがありません。また、あらかじめ定めた開発プロセスに沿って作業を進められ品質を確実に担保できます」と同社の関 勇輔氏は話します。
さらに、どの技術に関するスキルを習得すべきかが明確なため、開発者のスキルの底上げ、スキルのばらつきの抑止にもつながり、経験の浅い担当者も戦力として開発を担うことができるようになりました。

このことは、開発者のスムーズな異動やオフショア開発の成功にもつながっています。
以前は、どうしても開発者ごとのスキルの差や「クセ」といったものがシステムに反映されやすく、「亜流」が生まれやすい環境でした。開発課ごとにも独自の「文化」「流儀」が存在し、新たに異動した開発者は、その文化、流儀を再び学びなおす必要があったのです。
「例えば、生産システムを担当する部署に所属する私が、受発注システムの担当課で開発されたプログラムを読んでも、にわかには理解できないこともありました。一方、現在は、仮に他の部署で構築されたプログラムの保守を依頼されても、すぐに対応することができるほどです」(関氏)。
オフショア開発については、同社はベトナムに開発子会社を設置していますが、標準アーキテクチャを全面的に採用したおかげで、社内の開発者たち同様に、現地の開発者たちのスキルの底上げと標準化を実現。品質面でも安心して開発を移管することができました。

関 勇輔
グループシステム部 システム2課
今後の展望
全社利用の大規模システムにも適用を開始

今後、同社はキユーピーの運用する各システムへと、順次、標準アーキテクチャの適用を進めていきます。「近く、全社規模で利用されている大規模システムの刷新も行う予定です。その後も、同様の大規模システム刷新プロジェクトを10程度こなしていければと考えています」と清水氏は言います。
アークウェイと共に作り上げた標準アーキテクチャによって、同社は将来にわたってキユーピーグループのビジネスを支え続けることができるIT環境を実現したのです。